「主人公
しあわせに 溺れる 夢を見た



恵まれているのに 苦しかった





見られている像と 感じる影



太陽は いつも 不快だった





だから 私は 影にいて



燦々とした ハッピーから 



距離を取ろうと 下がるのに



ずっと 照らされていた







求められるままを演じ



期待される以上を課せられる







感情をなくしたクールと



あきらめた完全の無が



私を表舞台に立たせ



ポーズを決めさせた







この殻にのみ 付けられたネーム



私の殻は 遠いどこかの 他人のもので





私の名前は 誰も知らない



私の苦しみも 気づかれていない







足の届かない 深い 幸福



溺れているのに 踊っている、と



助けてほしいと 歌うのに 



皆が 耳を傾け 拍手している





風の 強い ある日



コロンと倒れた 私の殻を



横で ぼんやり 突っ立って



私は 眺めるしかなかった







涙する者 叫ぶ者 フレー 



呼ぶ声 笑い泣く音



それらに 抱きかかえられ 



起き上がり



泣きたかったけど



分かって欲しかったのに



演じた



このまま 落ちるまで続く ストーリーを



 





孤独。





この 妙にズレて 



変に的を得たような



そんなところで



こなしている




SHI-shu に戻る



by Shogo Suzuki