待ち合わせた相手が集合時間の3分前にドタキャンして、ポツンとしてた僕に飛び込んできたポスター。ものすごく覚えている、あの光景。そして僕は地下にある映画館に入っていき、これを見た。特にこれ!というのは正直なかった。ので忘れていた、観たことさえ。
YUIという歌手が、チェリー、チェリーと繰り返す度に、ふとあの声を思い出して。そう、この「声」はものすごい印象を残した。で、DVDが出たのを機にもう一度観てみた。
と、いい。なんともチープな感じと、湘南と原付バイクと。部屋の窓から見えるバス停と、、、短パン姿の馬鹿っぽさが、その真っ直ぐさが。いい映画だと思う。
「太陽が沈んだら、会いに行く」
色素性乾皮症という難病を抱えた少女と、普通の男子高校生の「淡くて強い恋」という定番?の設定。(どっか中心で叫んでいた映画を思い出すが) が、それを超えてもなお、雨音薫の声はいい。実にいい。不思議少女丸出しのかわいらしさも。
結局、原付バイクにポカリスエットなんだと思う。
「わたし、死ぬまで生きるって決めたから」
とても静かに。父親は病院で静かに泣く。母親が泣いているシーンはない。そして、少女も、どこか悟ったように普通。普通に荒れて、普通に泣く。それから諦めて、でもやっぱり諦めないという、、、スムーズなところがたまらなくいい。
サーフィンをする少年。少女は紫外線を防止するため宇宙服のようなものをすっぽり被って車いすに座っている。流木にもたれた両親は足を組み、、、サーフボードから落っこちる少年を眺めている。
「泣くな、笑え」
両頬をつねったしょっぱい夏の、記憶。
ひまわりに包まれた少女の、残した思い出。
衝動に駆られて最期の最期にパッと灯った感じ。
あぁ、やっぱりいい。
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タイヨウのうた
2006年 (日本)
監督:小泉徳宏
原作・脚本:坂東賢治
出演:YUI、塚本高史、麻生久美子、岸谷五朗ほか