“Next stop is the moon”
スペースシャトルが主流で、目的地が「宇宙ステーション」となっている昨今ではあるが、この映画はあくまでも、月に向けて打ち上げられ、その「月」は停車駅に過ぎないとするアポロ計画のお話だ。1961年5月25日、ケネディ大統領は国会で「国を挙げて1960年代中に人間を月へ着陸させ、無事に地球へ帰還させる」と演説する。折しも宇宙開発ではソ連に先を越され、そしてベトナムでは泥沼の戦争をしている時代。国内情勢が混沌としている時、国民の目を「外」に向けさせるために外国と戦争をする、と歴史は教える。それを引くなら、このアポロ計画も「地球」から、目を「宇宙」に変えさせるためのものだったのかも知れない。しかし、月へ降り立つ。この大きなロマンにアメリカ中が、そして日本も含めた世界中が注目していたのは、映画を見ても分かる。