とにかく面白い、楽しい、気持ちいい。これぞアメリカのエンターテインメント。ロミジュリの世界観をミュージカルに落とし込んで、伝説となったミューカルを巨匠スピルバーグが念願の映画化。

前評判通り、始まりの画像からダンスに移行するまでの数分で、一気に魅了された。

今や大都会、マンハッタンを形成するウエストサイドも、開発の波がやって来て、プエルトリコからの移民も、欧州移民の白人の中でもリッチになれなかったアメリカ人(白人)。同じ、奪われいく地で、お互いに「その場を守ろう」とする中、ロミオとジュリエットよろしく、結ばれてはいけない二人が恋に落ちる。

洗濯物がぶらさがり、貧しいエリアのベランダで、今夜が始まり、と歌うマリアとトニー。

この映画は、とにかく映像が目まぐるしい。なのに、とても自然にやってのけるから、気持ちいいと感じる。止まる車のタイヤの音、掃除婦のスプレーの音。そして、街中を巻き込むダンスの波。

ちょうどディズニー映画で、アニメのキャラクターたちが飲み込んでいくようなあの感じ。それを見事に映像化している。

ストーリーは単純で、音楽もダンスも、もちろん昔のミュージカルなので、古くさい。なのに、これを今の時代、劇場で圧倒的に見ていると、圧倒される。



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ウエスト・サイド・ストーリー
2022年(アメリカ)

監督:スティーブン・スピルバーグ
出演:アンセル・エルゴート, レイチェル・ゼグラー,
   アリアナ・デボーズ, マイク・ファイスト,
   デヴィッド・アルヴァレス, リタ・モレノ他