秋晴れの香り
色という色のすべてが
あたたかく
音という音のすべてが
やわらかい
口ずさむ唄の間で漏れる声が
軽やかに、秋晴れだ
髪の毛を揺らす
心地いい風が、吹いた
一歩ずつ踏みしめる大地
踵から伝わる愉快な感触
腕と太ももに触れる生地も
サラサラと流れる川のようで
身体ぜんぶで
思い切り深呼吸した
空気という空気のすべてが
とてもクリアーだ
差し込む太陽の光の粒子が
なんだか優しい
今ここで
吸い込む秋晴れの香り
ぼくは知らず知らず
スキップしていた