「風船のように」
にこにこ、笑う
ただただ、笑う
何で笑うのかを
なのに問うてしまう
にこにこ笑うきみはなぜ
ただ笑うだけなのかと
宙に浮かんでは
刺すように尖った
私の気持ちだけが
時々
とても、とても
嫌だ
にこにこ笑いながら
別に笑ってないよと
きみの笑顔は美しい
ふわふわして
やわらかい
にこにこと
ただ
笑ってない笑顔が
窮屈に笑う私のそれと違って
強い
ちょっと突けば
パンと割れてしまいそうなのに
それを
割ろうとさせないところが
強い