空(くう)と雑(ざつ)
いったい 
何から手をつければいいんだろう


目の前は
くらむ程の空(くう)
なのに
相変わらず頭の中は
間の抜けた雑(ざつ)だ


影さえ濃い 真夏の午後
ストロをさしたプラスチックカップが
ベンチの上で溶けている


温くなって 不味くなって
乱反射した光が 風で揺られている


頭の中の混沌
目の前の単純
錯綜して あくびがでた


ああ、空は青い 
雲は白く、太陽は
すべてを真っ白にする


ぼくは 
最悪の状況を想像する
そして締め付けられるように焦燥するけど
尚早に動き出す若さもなく


昼下がりの公園で
一人だ


ずっと
前に倣えで競争してきた


当たって砕けて弾けて散ったら
キラキラ光る夜空の星さえ
敗北者に見えてきた



目の前から消えても
頭にこべりついた濃厚な像




なかなか動かない足腰腕と
渦巻くばかりの“考える頭”




「空は青い」と言ってみた

「雲は白い」と思ってみた

そして

「しぬほど暑い」と
手のひらでパタパタ扇いでみた


そしたら
なんだか立ち上がれそうな
気がした



  
by Shogo Suzuki