曲がれない角
パン屋の角を曲がって
二つ目。
小さな路地の
突き当たりに
君は、いる。
パン屋の角まで
何度も行って
路地の入り口まで
行くんだけど
そこを曲がれば
もしかして、君がいる?
そう思うだけで
嬉しくて、とても緊張して
自転車をこいで、家まで帰った。
また、今度にしようと思った。
思えば、
あの頃から
何も変わってない
どうしても
曲がれない角があるんだ
見たいようで、見たくない、その先を
明示されるまでは空想していたい。
聞きたいようで、聞きたくない現状を
理解できない言語でやりとりしてほしい。
そうしてぼくは、
また引き返してしまうんだ。