奥まで行った細い道
奥まで行った細い道
夕陽がうす紫色に見えた


匂いはどこか濃厚で
明日のための今日じゃなく


必死の今日の音がする



奥まで行った細い道
野良犬の後ろは野良猫だ


目の前で繋がりあう全てが
そこはかとなく直列で


それはとてもシンプルだった



奥の細い細い路地裏では
遠くから眺めていたシルエットが
軋みながら 蠢いている


むさぼるように 得ている


ぎらぎらとした瞳で
ただ 今のために 生きている



細く細くもっと細い
道はやがて おわるのだろうか


最期の最期の果てにきて
行き止まり
そして なくなるのだろうか



そうではない未来を想像したい



この細い道の果て
もっと奥まで続く道が造れたら


力尽きて倒れるなら
振り返ってその道を眺めながら



ぼくは
もっと奥へ奥へ

さらに細い道へと

かきわけ進んでいる



  
by Shogo Suzuki