スペシャル
満員電車を乗り継ぎ、お金を貰う
ために向かうぼくのユージュアル
は、水が有るから泳げる魚のよう
なモノでしかなく、パクパクして
いる自分が嫌なんだ。
同じ言葉でも違って聞こえる君と
の場合は、何というか全てがスペ
シャルで、特別にぼくまでその気
になって嬉しくなるからスイスイ
と進める感じがする。
それはきっと、つまらない大部分
の代償に、普通の中に咲く希な一
瞬に、意味を持たせようとするD
NAの、生きていくためのプログ
ラムなんだと思う。
色が他と違って濃く、
言葉が鮮明に残る。
頷くタイミングや笑い方が
こそばくて心地良い。
ユー・アー・スペシャル
ぼくは君が好き。
君との場合が普通になった時、他
の何かに特別を求めたりするのか
なと思ったけど、そんな風にはな
らないほど、ぼくにとって君は特
別なんだ。大丈夫。