ウチナルモノ
零れ落ちそうな程の
ギリギリの感情は雫


完全な同意なく頷き
完璧な意図なく傾く


ふらついた足下に雫
諦めの果てに気づく


全部はぎ取ってしまえば
何も残らない玉葱だ、まるで


愛想よく笑って転がる
ビニールハウス育ちの西瓜だ


零れ落ちたのは、また
ギリギリ保っていた掟


ソトノオンドデ ナカカラカワッタ


変わってしまった僕がひとり
ほらまた笑っている


また、可笑しくて笑っている
可笑し過ぎて 泣いているのだ


ほんとに可笑しい僕の
ウチナルモノが嘆き


揺さぶることも
憂うことも
疑うことも
なく、ただ、
笑っている



  
by Shogo Suzuki