いつも私は笑っていた、と
彼も彼女もあの人も、言っていた
周りの中で私は、たぶん隅の方で
ニコニコと、それとなく居たという
誰の目にも明らかな証拠として
私はいつもいつも笑っていたのだ
今日も私は笑っている
明日もたぶん笑うだろう
その次も次も次の時代も
それでやり過ごそうと
あきらめている
あなたはそんな私の話を聞いている
ただ隣にいて、ずっとさっきからじっと
聞いているから時々うなづいて
ただそれだけで私の声は大きくなる
大きな声で話す私は笑ってないのに
あなたはたぶん、あの時も私は笑っていたと
他の誰かに聞かれたら、答えるのだろうと
私はあなたを疑っている
けど
あなたは、確かに、確実に
今、私の隣で
美しく笑っている
ありがとう、そしてすまないね
立ち去る私の脳裏に深く
深く刻まれるあなたの笑顔に。
