わかっていたいこと
頭で理解できないことを
解らないまま生きている
理解しようと努力はするけど
無理だ限界だと挫けてばかり
放り出したペンとノートが
堆積した時間の下でぺしゃんこになっている
心で感じられないことを
分からないまま生きている
感じ取ろうと触れてはみるけど
色も形も感覚も、ない
差し出した僕の右手が
空中でヒュルヒュルと空回りするばかり
善い悪いの判断に困るときも
判らないままで
ああだこうだと広げてみては
結局どっち着かずで生きている
僕は鈍感だ
だけど
鈍感であることに敏感でいたい
無能で優柔不断だけど
そういう自分をわかっていたい
予想不可能なこの先の未来
いつもわからないままでユラユラするけど
僕は僕自身のことを
「そういう自分」のことを
わかっていたいな、と思っている