「輪」
咄嗟に振り上げた手から

ひゅんと 抜けて 飛んでった

あっちか そっちか わからないけど 

だいたい こっちの このあたり

トゥンリンロンと軽やかに響く音だけ残して

転がって どっかいった


ぐるりと囲む広場は ま る で 宇宙

探しても(×3)見つからない

ココの ドコカに ある、のに

ぜんぜん 見つからない 

確実にある けど 見つからないだけ

無くなってないけど 失くした


ふっと妙な気分

ひだりてのくすりゆび

シュルシュル撫でて


無くてもいいっか と思う
だけど
無いとやっぱり嫌 と思う


三日経っても
まだ残っている


軽やかに転がるトゥンリンロン


その音が

指輪だったんだ、思わせる

失くしたのは「あなた」ではなく

ただの指輪だったんだ、と


また、ふっと気分が 跳 ね た



  
by Shogo Suzuki