雑居ビル
古びたポストに こだわりフォントで
部屋番号と ロゴマーク
黒い猫が ぴょんと 跳ねた
風呂屋の暖簾も
見事にアートで
切り絵もアクセも
食物連鎖に似た 正当性で
ぜんぶ オモシロイ
フラワーは そして
アレンジメントされ 水面に浮かんでいる
リストランテ
タベルナ
食堂
カワイイを重視した 高価格でも
ゆったり まったり
ミュージックと相まって
それとなく
まぁいいっか、の空気をつくる
各々の時間に
それぞれの方法で
別々の神に祈る
好立地と 低賃貸料
テナントは いつも いっぱい
ブック&カフェでは
月一回
誰かが選んだ 誰だか分からない人の
トークショーをする
雨が降る
地震がくる
雷がなる
酷暑も豪雪も停電もあって
ここには、
ここにしかない
色と 形と リズムがある
トライベッカにも
ウエストエンドにも
代官山にもない
個々に尖り 全体で調和した
毎日。の、繰り返しを 生きている