オーダーした次の皿
空っぽの皿がある
それはぼくが
空っぽにした皿だ
卵と野菜と小さな豆があった
柔らかい卵とシャキシャキの野菜
小さな豆は 残した
甘いソースにまみれた豆は
奇妙な色で 皿の隅にある
空っぽの皿にある豆
要らなくなった豆
食欲をそそらない色で
無いに等しい存在
ぼくは
オーダーした次の皿を待っている
肉を頼んだ
魚のような味ですと言われ
魚が食べたいぼくは
その肉を頼んだ
待っている間
どんどん肉が食べたくなり
未だかと店員に聞いた
口の中で音を立てる肉
頭の中で想像する美味
やっと来た「肉」を頬張り
魚じゃないか、と文句を言った
魚じゃないのに 文句を言った
魚が食べたかったのに 文句を言った
オーダー通りのモノにさえ
満足できないぼくは 文句を言う
満足できずに 注文ばかり
またメニューを開き
次の皿をオーダーしようとしている