飛んでいった風船
飛んでいった風船
赤・黄・緑
吸い込むのは大空
どこまでも……青
飛んでいって遠く
ユラユラ揺れつつ
割れて終わるまで
不細工でも上昇する
見上げる僕には
それでもうらやましい
飛んでいく風船
下で紐がブラブラ
それは無用で無力
ただ、付いている
飛んでいくまでは
必要だった紐
今は邪魔にもなれず
風船のしっぽだ
見上げる僕の手に
しっかり握っていた紐
時代や状況で変わる
必要と不必要
僕は今、
自分の右手を
凝視している