「ニッポンの夏、人混みの夏」
じりじりと、腕が音を立ててるような。くらくらするほどに、足もしびれ。6月も中旬というのに、例年より10度近く高い気温に、ヘトヘトになりますね。
これだけ真夏日(どころか)猛暑日を連発する6月に、今年の8月は、どうなるんだろう、とほんと嫌になります。暑いですねぇ、毎日毎日、過酷な日々です。
来週も、予報ではずーっと30度超えの暑さで、曇りにはなるものの、湿気が混じって余計に熱中症には要注意ですね。水分補給、塩分補給、とにかくこまめに休憩。
エアコンの効いたオフィス内も、熱中症に気を付けないといけないというから、ほんと逃げ場ないですよね。日本の夏も、ずいぶんと過ごし憎くなったものです。
先週の日曜日、息子の部活の試合を観戦しながら、さすがに元気な中学生男子も、気持ちだけで動き回って、帰宅するとカラカラに疲れ切ってました。温暖化、運動するのも大変ですね。
さて、世界中で旅をする人が増えているそうです。
コロナがあって、なかなか旅が出来なかった4年間をリベンジする期間を過ぎてもなお、その勢いは増していると言います。
例えば、世界で一番観光客を集める国、フランス。年間で1億人を超える観光客が海外から押し寄せると言います。ちなみに、フランスの人口は、6800万人ほどです。もう、パリなんて、観光客(しか)いないところと、地元の人が行くところの棲み分けが明白だとも聞きます。
ルーブル美術館では、展示された作品を見ると言うより、それを見るために押し寄せた「人」を見ているような状態で、落ち着いて、例えば顎に手をやって、ふ〜ん、と作品を堪能するのも不可、という状態。
そんな状況に、さすがはパリ(で働く人達)、ストを起こして職務を放棄したというニュースも入ってきました。その昔、海外旅行を手配しているとき、エアフラのストの多さに参っていたこともあったっけ。
働く者の権利と、そのために行使するストが、なんとも密接に結びついている価値観が、(当時の)日本にはあまりなく、かっこいいな、とさえ思った記憶があります。まぁ、ストに入った期間は、管理職が運営を続けたりもするんですが。
にしても、とにかく来るモノ拒まず、どんどんと儲けに走っていれば、そこで働く人達の負担は「給料に見あってない」となるんでしょうけど。歩合制じゃないですからね、給料って、だいたい。
スペインもまた、1億人の観光客を集める観光立国になりそうだといいます。フランスにスペイン、イタリア、トルコ、メキシコ、イギリス、ドイツ、ギリシャ。昔から観光立国として名をはせた国々では、様々な問題が出てきているといいます。
アメリカは、トランプ以降、行くのをや〜めたという人が多いとは言え、それでもまだまだ多くの観光客がやってきている状態。
ひと言で、オーバーツーリズムといっても、それぞれの国で事情は違っていて、この先の旅行や観光を考えたとき、とても大きな問題だと思います。とにかく、持続可能じゃないといけませんからね。
そんな風に、外国の話ばかりしている場合でもなくなってきたのが日本。年間4000万人の観光客が訪れる国になりそうです。トルコやメキシコ並みになるという計算。それだけの観光客を受け入れる準備もないままに、わんさか訪れて、地元の人の生活とのバランスも崩れ始めているそうです。
京都におけるオーバーツーリズム、東京でのインバウンド価格等の棲み分け、富士山の環境破壊。トピックスとして、ここ数年懸念され続けています。
日本の場合は、日本人が国内旅行にシフトしているというのも、国内観光のオーバーツーリズムに拍車をかけているという話も聞きます。
コロナ以降、海外旅行をしていた日本人が、戻ってきたとは、円安の問題もあって増えきらず、国内旅行をする。つまり、都道府県外からの日本人観光客と外国人観光客。国内の観光地では、その両方を迎え入れていることになります。
どんどん造れ〜、売りまくれ〜、の高度経済成長期じゃないんだから。あの時代のように、やっただけ儲けられる、だから仕事が全て、それが当たり前、なんて価値観、もうないですからね。
ルーブル美術館で働く人達のストのような、同じ給料でただただ忙しいだけなのは御免、という価値観が当たり前になってきている今、給料が、高ければそれでいい、という人も少ないでしょうからね。
国単位で見れば、フランスやスペイン、イタリアよりも外国人観光客の少ない日本ですが、都市別に見ていくと、一目瞭然。現在の日本の状況も、本気で考えるべき時に来ているように思います。
東京や大阪は、都市単位で見ると、パリやニューヨーク、ロンドンやマドリッドなどと並んで、ベスト10やベスト20に入ってくるほどになっています。
歴史があり、観光スポットが豊富で、食が魅力。そこに鉄道やバスなどのインフラやホテルが充実した観光都市は、忘れがちですが、そこに住んでいる人もいるわけです。
私の出身地、京都では、地下鉄や鉄道網を張り巡らせるわけにもいかず、基本はバスが移動手段になるのですが、京都市民が払った税金で運営している京都市営バスに、京都市民が乗れないという現象が起こり。
バス亭で待っていても、来るバス、来るバス、観光客でぎゅうぎゅう、見送るしかないという状況だそうです。まるで、鎌倉の江ノ電状態。そうなると、日々の足として市バスを使っている住民には、死活問題ですよね。
店をやっている人、宿を運営している人。じゃ、その人達は万々歳か?と言われれば、そう簡単でもないそうです。店の場合は、前を歩く人が一定数多くなりすぎると、余計に売れないという現象が起こり、宿にしても、客が多様化すればするほど、思ってもない負の側面が出てくる。
閑古鳥が鳴くよりマシ、とはいってられない状況でしょうか。これからの夏。暑い中の人混みは、風情を楽しむなんていってられないほどの過酷さがあるかも知れませんね。
もう、こうなったら今まで意識しなかった日本海側の町へ、日本人は国内旅行をするのがいいんですかね。外国人観光客が気付かないうちに、のんびりと福井や島根へ足を伸ばしてみる。そんな夏の旅行も楽しいかも知れません。
小浜あたりから舞鶴、宮津、鳥取砂丘に出雲大社、まだ行ってない日本の世界遺産石見銀山を抜けて、萩でのんびり。そのまま下関までいってふぐを食べたり。そんな西側の日本海岸ルートも楽しそうです。
もしくは、男鹿から酒田、村上から新潟に抜けてラーメンを食べて、そのまま富山、石川、あわら温泉まで。そんなルートも乙ですよね。
そんな風に思いながらも、実際に行くとなったら福岡とか京都とか鎌倉とか。今も実際、この夏のわが家の予定はそんな感じになっています。
久しぶりにソウルにも行くので、今はホテルをとった江南から、最近発展している聖水あたりでインスタにあがってくるスポットをこまめに保存しながら、どこへ行くか考えています。
それにしても、朝、9時で、この暑さ。エアコンが唸りながら回っています。
2025年06月21日
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・sekai-MESHI にペペロンチーノ紀行に追加
■2025年5月24日更新
・sekai-MESHI に「串揚げキッチンだん」
・NaRaDeWaに「ご当地めしならではのたこ焼き」
■2025年5月17日更新
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・Scenic Spotに「大屋根リング」を追加
■2025年5月6日更新
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■2025年4月29日更新
・atelierに「SONY PARK展 part2」を追加
・sekai-MESHI に「うしごろ」を追加
■2025年4月20日更新
・words に「ネッ友」を追加
・sekai-MESHI にペペロンチーノ紀行に追加
■2025年4月12日更新
・sekai-MESHIに「入鹿TOKYO」を追加
・atelierに「ラーメンどんぶり展」を追加
■2025年4月6日更新
・Hot Timesに「焼肉屋のキムチ」
・Scenic Spotに「立山連峰」を追加
■2025年3月30日更新
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・atelierに「ジミー大西展」を追加
■2025年3月20日更新
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・atelierに「ミロ展」を追加
■2025年3月9日更新
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・wordsに「経年優化」を追加
■2025年3月2日更新
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・MusicAに「さざなみCD」を追加
■2025年2月22日更新
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・sekai-MESHIに「favうどん」を追加
■2025年2月11日更新
・Reportに「MAROON5 東京ドーム」を追加
・atelierに「SONY PARK展2025 Part1」を追加
■2025年2月2日更新
・sekai-MESHI にラーメン再訪に追加
・旅棚 の旅のモノ棚に「御朱印帳」を追加
■2025年1月18日更新
・Hot Timesに「餃子」を追加
・wordsに「Information is not knowledge」
■2025年1月12日更新
・SHI-shu に「二つに割って」を追加
・CinemaSに「グランメゾン・パリ」を追加
■2025年1月2日更新
・sekai-MESHI に「favうどん」を追加
・NaRaDeWaに「年末ならではの人混み(東京・京都)」
■2024年12月22日更新
・Essay に「2024」を追加
・Hot Timesに「いちょう並木」を追加
■2024年12月8日更新
・sekai-MESHI に「ristorante della collina」を追加
・Report に「TRYラーメン大賞フェス2024」
■2024年11月23日更新
・SHI-shu に「カラカラのハハハ」を追加
・sekai-MESHI にラーメン再訪に追加
■2024年11月10日更新
・Artistaに「アンリ・ルソー」を追加
・wordsに「インバウン丼」を追加
■2024年11月2日更新
・sekai-MESHI にペペロンチーノ紀行に追加
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