「あるべき姿で存在することの難しさ」

大人になれば〈ハラスメント〉いう言葉にすり替えているだけで、やっていることは、中高生にある「いじめ」と同じではないか? そんな風に思ったことがありました。だけど、それは大人同士で、加害 vs 被害の関係性の中に、複雑なもの(生活というんですかね)が絡むので、一概に「いじめ」とは違うのか、と変に納得したように感じてもいました。が・・・

神戸市立東須磨小学校のニュースは衝撃でした。校内でリーダー的な男の先生(30歳代)がいて、他の30歳代の男の先生2人と40歳代の女の先生がグルになって、20歳代の男の先生をいじめていたというニュースです。

読売新聞のデジタル版にあった記事によると、暴言や暴行を繰り返していたほか、激辛カレーを無理やり食べさせたり、LINE(ライン)で別の女性教員にわいせつな内容のメッセージを送るよう強要したりしていたそうです。そのいじめられていた20代の男の先生は学校に行けなくなり、その先生の家族(両親ですかね)が市の教育委員会に相談して問題が発覚したといいます。

これは、例えば、〇〇中学の2年3組で起こった、男子生徒3人と女子生徒1人といういじめっ子グループが、ある男子生徒をターゲットにしていじめをしていたというのではなく、先生たちが、先生に行っていたいじめです。しかも、周りの先生たちも、いじめを知っておきながら、リーダー的な先生が怖いので、見て見ぬふりをしていた、と言います。

被害者の先生は、校長先生にも相談しています。相談された校長先生もいろいろと調査して、その被害者の先生が「ロール用紙の芯で尻が腫れ上がるほどたたかれたり、車の上に乗られたりしていたことを把握」したのに、人間関係のトラブルとしていじめグループの先生たちに口頭注意をしただけだといいます。その「こらっ、廊下は走るなよ」程度の口頭注意ではいじめはおさまらず、被害者の先生は学校にいけなくなった、と。

まず、このニュースを聞いて、ふと思い出したのが多忙すぎる先生たちの働き方改革、でした。生活のほとんどが仕事になっているという状況を思い浮かべながら、確かに、な、と。私には息子がいます。その息子の通う小学校では、通知表にある各生徒へのコメント欄がなくなりました。これも業務軽減の一環で、面談のときに話すからという理由だそうです。

多忙な割に給与が安いともいわれ、先生になりたいと思う若者が減っているということも聞きました。このままでは、教員試験は定員割れして、教師の質にも悪影響がでるとか。そんなこんなで、今回の、先生による先生へのいじめです。すぐに、息子のことを思浮かべてしまったのは、親としては当然かと。

でも、あるんですね。そういえば、少し前に忘年会か何かで熱い鍋の中に顔を突っ込まされた社員もいましたよね。これほどまで特殊なケースじゃなかったら、もしかしたら日々よくあることなんですかね。何人かが集まれば、誰かは誰かとつるんで、ひとりをターゲットにはけ口にしてしまうんですね。

いじめは、いけません。みたいなことを、あれこれ理由をつけて「教えていた」んでしょうね。いじめていた先生も、いじめられていた先生も。生徒たち(こどもたち)に。今回は小学校でのことなので、「道徳」という時間も多かったと思います。これから生きていく中で、大切な、基となる部分。それを教えていた先生たちによる、これです。

ゾッとしませんか? おそらく、加害者たちは「ノリやん」と言うだろうし、学校側も「こんな(程度のことを)おおごとにするのは・・・」と二の足を踏んだのかもしれません。なんですかね。

公立の小学校は、ぐるぐると人(先生たち)が入れ替わるので、その時、その時を穏便に、なんとかばれずに過ぎ去ってくれればさえ、みたいなところがあるんでしょうかね。だから、誰も本気で向き合わないんですかね。

教育委員会も大変ですね。先生の見張り役、学校を第三者的にみて導いていく組織。被害者の男の先生が、校長先生に相談したのに、事態は変わらず、登校拒否になって、お母さんが教育委員会へ訴える。何度考えても、この状況が、なんとも言いようのない、なんて言えばいいんですかね。

よく、クラスでいじめがあったら、全校生徒を対象にアンケートをして、他にもないかを調べるというのを聞きます。今回の件をうけて、全国の小学校や中学校で、先生たちどうしの「いじめアンケート」みたいなものが実施されたりしたんですかね。もしかして、「よくあること」として捉えられたりしてませんよね。

学校生活は、人生の中で「少し」です。小学校から高校生まででも12年。そこはとても小さな閉ざされた世界で、そこでの「人間関係」は、とても貴重なものにもなるし、その逆もしかりです。だけど、と、「大人」たちは繰り返していたはずです。人生は長い。これからの未来は、きっとこうじゃない、と。

・・・が、こう、だったんです。

今回は小学校でおこったことで、生徒の間で目立った「いじめ」は、まだなかったかもしれません。が、もし、あっても、到底、解決できなかっただろうし、指導も難しいですよね。ここまで、いろいろ記しながら、はっ、と。やっぱり、このニュースの現場が学校という場であったことが衝撃度を高めているのかもしれない、と。

せめて学校だけは、シンプルに、直球勝負で良いことと悪いことは線引きしてほしい。そういう雰囲気をつくり出す先生は、パイロットが乗客を無事に目的地へお連れするように、警察官が犯人を逮捕するように、なんというか、当たり前のことを徹底的にやってほしいな、と。

飲酒検査でひっかかるパイロット、犯罪を犯す警察官。こんなことを書いていると、そういう特殊な人たちのことも頭をよぎります。で、です。それって特殊ですよね、ほんの一部の人だけですよね?と半信半疑で、余計に、なんて言ったらいいのか、どう飲み込めばいいのかむずむずして。

あるべき姿で存在することの難しさ。

教師も人間だから、というところに行きつくには、今回の「いじめ」はひどすぎる気がします。教師の間でのいじめ撲滅運動、なんて標語が堂々と掲げられるような【変な】世の中になる前に。大多数の普通(だと思いたい)で、塗りつぶしたいもんですね。

今、台風19号が東京に向かってやって来て、私の住んでいる区にもエリアメールの緊急メールが爆音をたててスマホに入ってきてます。大雨、暴風、洪水。警戒レベルがどんどん上がっています。多摩川が氾濫しそうで、目黒川の水位もあがって。今晩にかけて上陸する台風を待ちながら、命を守る行動、のための準備をしながら。


 2019年10月12日

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